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レベルチェーンを利用したビジュアルデザインアイデア発想

レベルチェーンを利用したビジュアルデザインアイデア発想法

グラフィックやwebのデザイナーの中には、感覚だけを頼りにビジュアルを仕上げる人がいます。
特にデザインを始めて間もない方や、作るデザインの業種が固定されている方に多いのではないでょうか。
後者であれば、さらに専門的になり、理由のあるデザインを感覚で作れるという、他の人ではマネできな技術を身につける事ができるでしょう。
ただ、前者であれば問題です。
いつか感覚だけで作るデザインに限界を感じてしまうでしょう。

この限界は同じ視点で作り続ける事で起こるものです。
様々なデザインのインプットを行い、表現としてアウトプットをする努力が必要になってきますが、
それ以上に重要なのは「今とは違う視点を利用する」。
この視点の違いを利用してデザインしましょう。というのが本記事です。

デザインには「意味」「理由」がある事を理解しないまま進めてしまうと、
ただインプットを繰り返し、マネをし続けるだけになってしまいます。

「理由があってこんなデザインになった」
商業の中にあるデザインには、理由が必要ということです。
クライアントへの提案・プレゼン時に堂々と理由(コンセプト)を伝えるためにも、
本記事の「レベルチェーン」を活用していただきたいです。

レベルチェーンとは

レベルは「抽象度」を指します。抽象の反対は具象(具体)。
ようするにレベルチェーンとは「抽象度を変化させることによる、抽象的なものと具体的なものの連なり」
と言い換えられます。

例えば、鉛筆が目の前にあったとします。これの抽象度に変化を加えます。

レベルチェーン1

抽象的に鉛筆を言い換えると「書くモノ」
具体的に鉛筆を言い換えると「トンボの鉛筆」
と変化させることができます。

今度は、
「書くモノ」を具体的に、鉛筆以外のもので言い換えると「ボールペン」
「トンボの鉛筆」を抽象的に、鉛筆以外のもので言い換えると「筆記用具」となります。

レベルチェーン2

※他にも思いつくでしょうが、ここは例として…

「抽象的」か「具象的」かを考えると分かりにくい場合は

レベルチェーン3

「鳥の目で見る」か「虫の目で見る」かで考えると分かりやすいかもしれませんが、
この抽象度の変化によって出てくるキーワードの連なりをレベルチェーンと言います。
今回はこれを利用してデザインをしましょう。ということです。

抽象度・視点を操作することで、視点ごとの気付きが得られる

レベルチェーンを使わずに、思いつくままに「えんぴつ」を展開していくと、
出てくるのはすぐに頭に浮かぶものだけです。
「えんぴつ」→「ノート」→「消しゴム」→「ペンケース」など。
これはただの連想となってしまい、結局ひっくるめると「筆記用具」ということが言えるでしょう。
この連想作業も良いのですが、思いつくものの範囲が限られてしまいがちです。

レベルチェーンでは、抽象度を操作するために、今自分がすぐに思いつくキーワードから
少し離れたキーワードが頭に浮かびやすいです。

抽象度の操作が分かりにくければ、視点の操作でも良いかもしれません。
「鳥の目」「虫の目」のように、全体を見るか部分を見るかという、
視点の切り替えによって得られるキーワードには、普通に思いつくこと以外のものまでもが飛び込んできやすく、
自分の範囲を超えた創造が可能となります。

これは、経営者と社員との視点の違いと同じで、経営者は社会の動きを見ながら判断し行動します。
社員は社内外の人間関係に悩まされながら、狭い範囲で判断し行動します。
これを理解すれば、レベルチェーンをやる事の意味がよく分かってくると思います。

10月のメインビジュアルをレベルチェーンを利用して作成してみる

今回は実際にレベルチェーンを使ってビジュアルを作成してみようと思います。
MARQSでは毎月トップページのメインビジュアルを、季節感のあるもので作成しています。
4月なら春なので「桜」を使ったり、6月なら梅雨の時期なので「アジサイ」を使ったりと様々です。

今回の10月なら秋なので「落ち葉」を使ってみます。
ただ、落ち葉の写真をメインビジュアルにするだけでは、制作会社としてあまり意味がありませんので、
ここでレベルチェーンを使って、ビジュアルに意味を付け加えてみます。

まずは、ビジュアルで表現したいものをキーワードで抜き出す

表現するべきは「MARQSとは」というところ。
MARQSのコンセプトは
「人々の岐路に共に立ち、疑問を解決し続けることで、ゴールへと導いていく」
というものです。
「その判断が正しいのかを、一人が感覚的に選択するよりも、
より確かな数値で選択の条件をそろえることで、成功の確率は確実にあがります。
私たちは、そのいくつもの岐路(MARKS)に共に立ち、「なぜ」の疑問(Q)から物事を考え、御社にマッチした選択をご提案します。」

この中で今回は「岐路」のキーワードを選択しました。
これを実際にレベルチェーンで展開してみます。

展開はどこまでも続けてOK、だけど、、、

キーワードの抽象度操作はいくらでも行えますが、あまりやりすぎるとかけ離れすぎてしまいます。
今回は図のように5回だけ行いました。

レベルチェーン4

この中から好きなものを選択して、
秋の「落ち葉」と組み合わせてビジュアルを創造します。

選んだのは「時代の変化」「デジタル化」「つながり」です。

落ち葉 × 時代の変化 × デジタル化 × つながり を一つのビジュアルに

遠い昔、人は人に想いを伝えるために言葉をつくり、絵を描いて後世に「その時の今」を伝えました。
今でも遠い昔の壁画が残っていて、それを現代の人が目にすることができる。
絵とは、とても素晴らしい表現方法です。

さらに時代は進み、写真の技術が生まれました。
絵よりも正確で鮮明に、人に伝える事ができます。

そして、今では、目の前に本当にそのモノが存在しているように見えるほどのリアルな3D技術が発展してきました。
今後もこの技術は発展し、スクリーンのない場所に3Dの立体を投影することもできてくるはずです。

っと、ここまで考えて、
この「時代の変化」と「デジタル化」と「つながり」を「落ち葉」を使って表現することにしました。

レベルチェーンを利用したビジュアルアイデア発想法

3Dのポリゴンメッシュはadobe After effectsに付いているCINEMA4Dを使って作成。
フリーのデータをダウンロードして利用しています。
手書きの部分はペンタブを使って描いてみました。
平面的に見えてしまうのを立体的に見せるために遠近法を利用して落ち葉を配置。

左から「絵の時代」「写真の時代」「3Dの時代」と変化させ、

「時代の変化」「デジタル化」「つながり」を表現しました。

selection tailored to the times
(時代に合わせた選択)
と文字を入れて完成。

まとめ

レベルチェーンを利用したデザイン制作は、表現しにくいものさえも、抽象度を変え、視点を変えることでビジュアル化しやすくすることができます。
例えば、ビジュアルにし難い企業広告等であれば、この方法を使うと意外と案がたくさん出てくるものです。

どうしてもビジュアルが思いつかない!
ビジュアルにコンセプトをもたせたい!

そんな時にレベルチェーンを使ってみる事をオススメします。

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