Instagramのアルゴリズムは年々進化を続けており、2025年もユーザー体験の向上と価値あるコンテンツの推進を目的に大きな変更が加えられています。しかし、最近のInstagramのアルゴリズムがどうなっているか把握できてない企業担当者も多いのではないのでしょうか?
本記事では、Instagramのアルゴリズムを最新情報で徹底解説します。注意点や戦略も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
そもそもInstagramのアルゴリズムとは?
Instagramのアルゴリズムとは、フィードや発見タブ、リールタブなどで投稿の表示順を決定するレコメンドシステムのことを指します。膨大な投稿の中から、各ユーザーの興味や行動履歴、エンゲージメント(いいね、コメント、シェア、保存など)をもとに、最適なコンテンツが優先的に表示される仕組みです。
アルゴリズムは、ユーザーごとにパーソナライズされており、フィードでは過去の交流や関心度、発見タブでは新しいクリエイターやコンテンツとの関連性、リールでは視聴時間やシェア数などが重視されます。また、アルゴリズムは単一ではなく、各エリアごとに異なる基準やシステムが組み合わされているのが特徴です。
アルゴリズムの仕組みを理解し、沿った投稿や運用を行うことで、より多くのユーザーに情報を届けやすくなり、アカウントの成長やエンゲージメント向上につながります。
Instagramのアルゴリズムが重要な理由
Instagramのアルゴリズムが重要な理由は、ユーザー体験を最適化し、より魅力的なコンテンツに出会えるように設計されている点にあります。Instagramには毎日膨大な数の投稿がアップされており、すべてを平等に表示することは現実的ではありません。
そこでアルゴリズムが、ユーザーの過去の行動履歴や関心、エンゲージメント(いいね・コメント・保存・シェアなど)を分析し、個々に最適な投稿を優先的に表示することで、ユーザーが自分にとって価値あるコンテンツを効率よく発見できる仕組みとなっています。
アルゴリズムは、常に進化し続けているのが特徴です。
パーソナライズされた体験やエンゲージメントの高い投稿の露出を促すことで、ユーザーが快適かつ楽しくInstagramを利用できるようサポートしています。
これにより、クリエイターやビジネスアカウントもアルゴリズムを意識した運用を行うことで、フォロワー増加やリーチ拡大といった成果をより確実に得やすくなります。
Instagramアルゴリズムの基本
Instagramのアルゴリズムの基本は、大きく2つのランキングに分かれています。1つはフォロワーなど関係性のあるアカウントへのリーチ、もう1つはフォロワー外などまだ繋がりのないアカウントへのリーチです。
それぞれで重視される要素は異なり、関係性のあるアカウントに対しては「いいね」が強く影響し、繋がりのないアカウントに対しては「シェア」などの送信アクションがやや重視されます。
また、いずれの場合も「視聴時間」や「いいね」「シェア」といった指標が重要視されており、インサイト分析では平均再生時間やリーチあたりのいいね数・送信数を丁寧に確認することが推奨されています。
重要な要素 |
やや重視される指標 |
アルゴリズムランキングの種別 |
視聴時間 |
— |
全体的に重視される |
いいね |
いいね |
フォロワーなど関係性のあるアカウントへのリーチ |
Instagramのアルゴリズムが変化してきた歴史
Instagramのアルゴリズムは、ユーザー体験やSNS市場の変化に合わせて進化し続けてきました。2016年には、投稿が単純な時系列ではなく、ユーザーの興味や関心に基づいて表示順が決まるアルゴリズムが導入され、以降もスパム対策や新機能の追加、オリジナルコンテンツ重視など、時代ごとに大きなアップデートが行われています。
2024年には、特にオリジナルコンテンツを優遇し、リポストやコピー投稿の表示順位を下げる仕組みが導入されました。これにより、フォロワー数に関係なく、質の高いコンテンツがより多くのユーザーに届くようになり、小規模なクリエイターにもチャンスが広がっています。
年 |
主なアップデート内容 |
2016年 |
フィードの表示が時系列から、興味・関心に基づくアルゴリズム表示へ変更 |
2017年 |
スパムや不正行為対策としてシャドウバン(投稿の非表示制限)を実施 |
2020年 |
「ショップ」タブや「リール」タブなど新機能を追加し、動画やEC機能を強化 |
2021年 |
フォローしていないアカウントの投稿もフィードやおすすめ欄に表示される「おすすめ投稿」導入 |
2024年 |
オリジナルコンテンツを優遇し、リポストやコピー投稿の表示順位を下げる仕組みを導入 |
各機能ごとのInstagramアルゴリズム解説
Instagramのアルゴリズムには、各機能ごとに特徴があります。ここでは、詳しく見ていきましょう。
フィード投稿のアルゴリズム
Instagramのフィード投稿は、アプリを開いた際に最初に表示される「ホーム」タブで、投稿の表示順位は複数の要素によって決定されます。主な要素は、ユーザーの興味や過去の行動履歴に基づく「関心度」、いいね・コメント・シェア・保存といった「交流の度合い」、「投稿の鮮度(新しさ)」です。
特に、フォローしているユーザーの投稿が優先的に表示されますが、2021年以降はおすすめ投稿機能が導入され、フォロー中の新しい投稿がない場合には、フォローしていないアカウントの投稿もフィードに表示されるようになりました。
これにより、ユーザーごとにパーソナライズされた投稿が優先され、エンゲージメントの高いコンテンツや新しい投稿が上位に表示されやすくなっています。アルゴリズムを意識した運用を行うことで、より多くのユーザーに投稿を届けやすくなります。
発見タブのアルゴリズム
Instagramの発見タブは、ユーザーの過去の「いいね」や保存、閲覧履歴などのアクションデータをもとに、機械学習によって関連性の高い投稿が自動で選定され、おすすめ投稿として表示される仕組みです。
発見タブでリーチを伸ばすには、ユーザーの興味や関心に合った質の高いコンテンツを作ることが重要です。特に、保存されやすい投稿や情報性の高いインフォグラフィックなどは、アルゴリズム上で高く評価されやすく、リーチ拡大につながります。
また、投稿内容に合った人気ハッシュタグを戦略的に活用することで、より多くの新規ユーザーの目に触れる機会が増えます。ハッシュタグは多用するよりも、関連性の高いものを厳選して使うのが効果的です。
このように、関心度を高める工夫や保存率の向上、ハッシュタグ活用を意識することで、発見タブ経由のリーチやフォロワー増加を効果的に狙うことができます。
リールのアルゴリズム
Instagramリールのアルゴリズムは、2020年のリールタブ追加以降、アカウントの認知拡大や新規フォロワー獲得において中心的な役割を担っています。リールが多くのユーザーにおすすめ表示されるかどうかは、「いいね」や「保存」などのエンゲージメント数だけでなく、動画を最後まで視聴したユーザーの割合、すなわち視聴完了率も重要な評価基準となっています。
特に最近のアルゴリズムは、視聴完了率や視聴維持率が高いリールほど、フォロワー外のユーザーにも拡散されやすい傾向です。そのため、冒頭から視聴者を惹きつけ、最後まで飽きさせない構成や編集が、リールのパフォーマンス向上には不可欠です。
リールを運用する際は、エンゲージメント獲得とともに視聴完了率にも意識を向けることで、より多くのリーチとフォロワー増加を期待できます。
ストーリーズのアルゴリズム
Instagramのストーリーズは、主に既存フォロワーとのつながりを深めるための機能として設計されています。アルゴリズムは、ユーザーがどのアカウントのストーリーズを頻繁に閲覧しているか、過去にどれだけエンゲージメント(いいねや返信、リアクションなど)を行ったか、投稿者との親密度などをもとに表示順を決定します。
そのため、ストーリーズはフィード投稿のように新規ユーザーへのリーチ拡大よりも、すでにフォローしている中でも特に関心や熱量の高いオーディエンスに情報を届けるのに効果的です。
インタラクティブなスタンプや質問機能を活用し、双方向のやり取りを増やすことで、アルゴリズム上で優先的に表示されやすくなります。ストーリーズを活用する際は、フォロワーとの関係性を深めることを意識し、エンゲージメントを高める内容を心がけることが重要です。
Instagramのアルゴリズムを有効活用する4つの方法
Instagramのアルゴリズムを有効活用する方法は、主に4つです。ここでは、詳しく見ていきましょう。
投稿スケジュールを計画する
Instagramで効果的に投稿するには、まず投稿スケジュールをしっかり計画することが大切です。一般的に、投稿が見られやすい曜日や時間帯はアカウントごとに異なり、例えば月曜から木曜の午前10時から午後3時ごろが最もエンゲージメントが高い傾向がありますが、あくまで一例です。
インサイト機能でフォロワーのアクティブな時間帯を確認し、タイミングに合わせて投稿することで、より多くのユーザーにコンテンツを届けやすくなります。インサイトのデータがまだ少ない場合は、投稿時間をずらしながら反応の違いを検証し、どの時間帯が自アカウントにとって最適かを探っていきましょう。
コンテンツの戦略をたてる
Instagramにはフィードタブ、発見タブ、リールタブなど複数のタブがあり、それぞれの特性に応じて投稿タイプやコンテンツの戦略を立てることが重要です。例えば、フィード投稿はブランドの世界観や商品の魅力を伝える場として活用し、発見タブでは多くの新規ユーザーにリーチできるようエンゲージメントやハッシュタグを意識した内容を心がけます。
リールタブは動画コンテンツでフォロワー外への拡散や認知向上を狙い、短時間でインパクトのある編集やトレンド音楽の活用が効果的です。投稿タイプごとに目標を明確にし、それに合ったコンテンツ内容や表現方法を選ぶことで、Instagram全体でのリーチやフォロワー増加、エンゲージメント向上につなげることができます。
それぞれのタブの特徴を理解し、戦略的に使い分けることで、アカウントの成長を最大化しましょう。
エンゲージメント率を高める
Instagramでは、フィード投稿でもリール投稿でも、エンゲージメント率がパフォーマンス向上の重要な指標となっています。エンゲージメント率は、いいね数や保存数、コメント数など、ユーザーが実際に投稿に対して起こしたアクションの合計をフォロワー数で割って算出され、この値が高いほどアルゴリズム上で評価されやすくなります。
エンゲージメントを高めるためには、コメントしたくなるような質問や話題、保存したくなるような役立つ情報やインフォグラフィック、シェアしたくなるような感動ストーリーやトレンドコンテンツを積極的に取り入れることが効果的です。
キャプションや投稿内容に工夫を凝らし、ユーザーが自然とアクションを起こしたくなるような要素を盛り込むことで、エンゲージメント率の向上とアカウントの成長を目指しましょう。
ハッシュタグを効果的に利用する
Instagramで効果的なハッシュタグ活用は、リーチやエンゲージメントを大きく左右する重要なポイントです。まずは投稿内容と関連性の高いハッシュタグを複数選び、ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードやトレンドワードを意識して設定しましょう。
ハッシュタグ選びでは、投稿件数が多いビッグキーワードだけでなく、数千〜数万件程度の中堅タグや独自性のあるスモールキーワードもバランスよく組み合わせることで、競争率のバランスを調整できます。ハッシュタグの数は3〜10個程度が推奨されており、関連性の低いタグや多用しすぎには注意が必要です。
また、ブランドやキャンペーン専用のハッシュタグを作成し、コミュニティ形成やプロモーションにも活用すると、さらに効果的です。投稿ごとに最適なハッシュタグを選び、戦略的に活用することで、新規ユーザーの獲得やアカウントの認知拡大につながります。
Instagramアルゴリズムの注意点
Instagramのアルゴリズムを活用する上で最も重要な注意点は、コミュニティガイドラインの厳格な遵守です。
ガイドラインには「身体の安全に危害を及ぼすリスクにつながり得るコンテンツを削除しています」といった明確な記載があり、薬物や医薬品、オンラインギャンブルなど制限されている商品やサービス、いじめやヘイトスピーチ、性搾取、暴力行為、自傷行為などを含む投稿は厳しく制限されます。
また、虚偽情報や危険性のある内容もファクトチェックの対象となり、複数回違反した場合はアカウント全体の評価が下がる場合があります。同じ内容の投稿や連続投稿、他人の投稿をそのまま再投稿するリポストもアルゴリズム上で表示されにくくなるため注意が必要です。
ガイドラインに違反する投稿は削除やアカウント停止のリスクがあるだけでなく、リーチやエンゲージメントにも悪影響を及ぼします。ガイドラインをよく確認し、安全で健全なコンテンツを心がけることが、Instagramで長く安定して成果を上げるための基本となります。
まとめ
Instagramのアルゴリズムは2025年、ユーザーの滞在時間やエンゲージメントの質を重視する方向に大きく進化しています。特にリールやカルーセル投稿が優遇され、フォロワー外へのリーチ拡大やニッチなコミュニティ形成が成功のカギとなっています。
視聴完了率やシェア数、保存数など深い関与を示す指標が評価されやすく、投稿直後のリアルタイムなコミュニケーションも重要です。最新のアルゴリズムを理解し、質の高いコンテンツと戦略的な運用を心がけることで、アカウントの成長やブランド価値向上を実現しましょう。