時計などの写真の金属感を強調する3つのポイントと加工方法

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食べ物と同じように、金属にもシズル感が必要
それと似たもので『金属』というものは撮影の時点からかなり難しいものになります。 殆どが反射率の高いものであるため、商品への写り込みや黒締め、 ライティングのコントロールも難しく、プロでも簡単ではありません。 レタッチも同様で、細かく調整する部分も多いため難しい部類に入ると思います。 ですが、アクセサリーや食器、スマホや電気製品など…金属や反射物は身近な商品にもよくあります。 とりあえず自社で簡単に…という程度でも、意外と関わる機会はあるのではないでしょうか。 言葉にするとなんとなくイメージは出来るけど意外と難しい金属…。 ですが、いくつかポイントを押さえるだけで簡単に『金属感を強調』することが出来ます。 今回はそのポイントと方法をご紹介していきます!金属感を強調するレタッチのポイントと方法
実際の作業をしつつ、順にご紹介します。 今回はこちらの腕時計の写真を使用していきます。
ポイント1:ハイライトとシャドウを強調してコントラストを強めに
今のままでもハイライト部とシャドウ部があるのですが、金属なのでもう少し光沢感のメリハリが欲しいところです。 撮影の時点でハイライトの一部が飛んでしまっていたり、バックが黒のためシャドウが落ちすぎている部分がありますが あえて無理に戻したり、落ちている部分をあげたりはせず誇張表現として活かしていきます。 まず、腕時計だけの選択範囲を作ります。 方法は選択できれば何でもかまいませんが、今回はこの後どのような利用方法になるかわからないので切り抜けるように。 それと、境界線がわかりにくいところがあるためパスで選択範囲を作りました。
ポイント2:被写体に合わせて金属らしい色を強調
色は印象に大きな影響を与えます。 たとえば、赤等の暖色系だと熱そう、青等の寒色系だと冷たそう…など。元々色の持つイメージというものがあります。 金属もわかりやすいもので言えば金、銀、銅はそれぞれ色が違うと思います。 それだけでなく、金属等は反射率が高く、写り込みもとてもするので周りの物や光の色が顕著に影響してしまいます。 今回の写真も、恐らく定常光の色が影響してベルトの部分などが特に色が乗っています。 そういう印象を与えたいイメージ写真ならよいのですが、こんな色ではない…とシビアに要求されることもあります。 実際は実物を見ながら色を確認して色合わせ等をしていくのですが 今回はわかりやすく、硬く冷たい金属のイメージにするために、シルバー(ほぼ無彩色)にしたいと思います。

ポイント3:ハイパスでエッジをシャープに
金属で大事なのが色でも出てきた「硬そう」という印象です。 商品そのものもそうですが、ハイライトが強く反射しキラッとしていることや、素材感がシャープに出ていることも大事です。 そのために、『ハイパス』という機能を使ってエッジを強調するシャープをかけていきます。 ハイパスというのは、その効果だけだとよくわからないかもしれませんが 利用法としては、被写体の輪郭を検出、抽出してくれるので、それを利用して輪郭やエッジを強調(シャープをかける)といった感じです。 まず、元のレイヤーを複製。





まとめ
いかがでしたでしょうか。 こういう写真はいくつかの目的のライト別に分けて撮影、合成するということも多いので 実際の行程通りというわけではないですが、今回ご紹介した- ポイント1:ハイライトとシャドウを強調してコントラストを強めに
- ポイント2:被写体に合わせて金属らしい色を強調
- ポイント3:ハイパスでエッジをシャープに