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フォトショップの描画モード『比較(明)』『スクリーン』を使った雲の写真合成

フォトショップの描画モード『比較(明)』『スクリーン』を使った雲の写真合成

夏休みの時期も終わり、たくさん夏らしい写真があると思います。

合成前の画像
青空の下にヒマワリ、夏らしい爽やかで素敵な風景ですよね。
十分、このままでも夏らしい風景なのですが、より夏らしさを演出することが出来るとすれば『白い雲』ではないでしょうか。
夏は青い空、白い雲が特に美しい季節ですし、写真や絵でも夏を表現する上でよく見る光景です。
かといって、夏だからと毎日毎日青い空と白い雲があるわけではないですよね。

  • 雲一つない青い空もそれは美しい光景、しかし『広告』として『夏』という印象を強調したい…
  • 自分の写真として、もっと夏らしい写真にしたい…
  • でも空という広いところに程よく雲を合成するなんて難しいのでは…
  • そもそも難しい知識やツールを使うのは大変なのでは…

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、比較的簡単に青空に白い雲を合成する方法をご紹介します!

ヒマワリと雲の写真を合成

準備するものは先ほどのヒマワリの写真と


こちらの青空に白い雲が浮かぶ写真です。
明るすぎず、雲と空の境目がある(明暗差が大きい)程度わかる写真を使うのがオススメです。

そして合成していくのですが、空を比較してみると


青空の明るさも色(濃度)も全然違います。
これをそのまま使おうと思っても


空の半分ほど重ねてみましたが、最初の写真とだいぶ空の印象が変わってしまいます。
(最初からこういう空だと言ってしまえばそのようにも見えますが)
合成されるベースとなる画像(ヒマワリの写真)と合成する画像(雲の画像)の青空の濃度が違うので、どうしても印象が変わってしまいます。
自分の作品として出すもので自分がよしとするなら問題はないのかもしれません。
が、これが仕事の写真となったら大きく印象を変えるわけにいかない場合もあると思います。
なので、元の状態を出来るだけ残しつつ合成、調整する方法をご紹介します。

描画モードを使って、空よりも明るい「白い雲」だけを合成する

まず、基本として今回の作業の前提は『白い雲』という『空』よりも『明るいもの』を合成するということです。
つまり、ベースとなるヒマワリの写真よりも明るい情報だけを乗せられたら、その分手間が少なく済むということです。
そのためには


描画モードにある、『比較(明)』『スクリーン』などを利用します。
厳密にはもっと詳しい説明があると思いますが、ざっくりと説明しますと


グレーの上にそれぞれの描画モードで中央部の図を重ねてみます。

〇比較(明)

重なる場所より、合成する側の明るい情報だけが反映される。
(重なる場所が合成する側より明るいところだけその分情報が乗り、暗いところは反映されない。)

〇スクリーン

黒は反映されず、それ以外の色はすべて明るさの情報が反映される。
(黒以外はすべて乗せる分だけ明るくなる。)

明るさの情報が反映されるのはどちらも同じなのですが、比較(明)のほうは反映させたい元の画像によってどれだけ反映されるのかがかわってきますが
スクリーンは元の画像の明るさ等々はあまり関係なく、黒以外はすべて情報が乗ります。
(なぜどちらも黒は反映されないのかというと、黒はRGBの値がすべて0なので影響する数値がそもそもないのです。)
今回はこの二つの描画モードをメインにご紹介していきます。

空だけの選択範囲を使ってマスク

まず、簡単に空だけの選択範囲があるとこの後の作業がしやすくなるので準備します。


空を『クイック選択』で選択したのち、『境界線を調整』の『半径調整(ブラシ)ツール』で軽くヒマワリとの境目をなぞりました。
レンズのボケなどの関係で必ずしもはっきりとした選択範囲が必要なわけではないので、ざっくりと選択出来ていれば大丈夫です。
今回の場合だと花の輪郭があるので手間があるかもしれませんが、空という広範囲の選択なら自動選択やグラデーションツール等でいける場合もあります。
あまりここは時間をかける必要はありません。

選択出来たら、とりあえず仮でマスクをかけてみます。


特に大きな問題が無さそうであれば、元の画像と合わせていきます。
方法は、大きくわけて以下の3つです。

元画像と雲を合成する3つの工程

1.乗せている雲の画像の明るさ自体をレベル補正やトーンカーブで調整する。


軽い調整だけで済む場合は、調整レイヤー等でレベル補正やトーンカーブで明るさを調節します。
見たままなのでわかりやすくはありますが、明部暗部両方の調整をせねばならず、過度の調整になりやすく画像が大きく荒れてしまうので注意が必要です。
そして、選択範囲の分丸々画像が乗ってしまうので、少し丁寧に選択範囲を作る必要が出てきます。(今回でも少しひまわりが欠けてしまっています。)

 

2.雲の画像の描画モードを比較(明)にし、雲の輪郭が綺麗に出てくる程度にレベル補正やトーンカーブで調整する。


ベースである空よりも数値的に明るい色しか反映されないので、ほぼ雲だけを合成出来ます。
ベースより暗い色は影響しないので、選択範囲も厳密でなくて大丈夫です。
ただし雲にももちろん影がでていることはあるので、その部分が落ちすぎている場合には多少調整が必要です。
ただしあまり明るさを起こし過ぎると影響する範囲が増えてしまうので注意が必要です。

3.雲の画像の描画モードをスクリーンにし、情報が必要のない部分が影響しなくなるまでレベル補正やトーンカーブで調節する。


黒以外すべて明るさの情報として乗るので、雲周辺をの細かいところも自然に合成できます。合成前にモノクロに変換して明暗だけのレイヤーにして作業を行う場合もあります。
今回の場合でいうと全体的に明るくなってしまっているので、元の画像の明るさに合うように暗くしました。
白に近い所しか影響しないので選択範囲が多少ざっくりでも問題ないので便利です。
もちろんこちらも、過度な調整は細部が損なわれるので注意が必要です。

そのまま乗せた状態だと少しずつ差があるのがお分かり頂けると思います。
いずれの方法も多少の調整は必要になる場合もありますが、選択範囲が作ってあれば調整レイヤーで少しずつ結果を見ながら作業できるので、Photoshopのすごく詳しい知識がないとできないという作業はあまりないと思います。
更に言えば、調整しなくても、スクリーンや比較(明)で乗せるだけで完成する場合もあると思います。
何より、ひとつひとつ雲を切り抜いたり選択したりだとか、素材を配置して元画像と馴染ませるなどの調整がほぼなくて済むので便利です。
ただ、特に夏の日差しで影がしっかり出ている写真に関しては影の向きに違和感が出ないかということだけ気を付けてください。
どの方法が一番適しているかは、写真の内容や、かけられる時間、手間によって最適な条件のものを選んで頂ければと思います。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
それぞれの方法を知った上で、自分が作業する写真にはどれがベストなのかを選択して頂ければと思います。
方法はどれも簡単な上に、雲以外にも応用しやすい効果なので覚えておいて損はないと思います。
参考になれば幸いです。

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