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ダスト&スクラッチを使って広い範囲の汚れや凹凸を綺麗に

Photoshopには様々な修復系のツールや機能があります。
『コピースタンプツール』や『修復ブラシツール』等は有名だと思います。
消したい対象の場所に別の場所の情報をそのままコピーしたり、元の場所や周辺の情報を元にPhotoshopが計算して自動的に修復するものです。
Photoshopにはこれら以外にも同様の効果が得られるツールがいくつかあります。
そのうちの一つに『ダスト&スクラッチ』というものがあります。
どんなことに利用するかというと、主な用途は細かなゴミやほこり、小さな傷などを簡単に除去できる、所謂ゴミ取りです。
スキャンした写真などの印刷物の広い面の汚れや傷を取り除いたり
ゴミやホコリが目立ちやすい商品の広い面のゴミ取りなどにとても便利です。

コピースタンプツールや修復ブラシツールでも似たような作業は出来ますが
広範囲かつ数の多い修整を、コピースタンプツールや修復ブラシツールで1つ1つ処理するのは、手間や効率の面でもあまり現実的でなかったり
コピーを繰り返すことによって写真として違和感が残ることがよくあります。
ダスト&スクラッチはフィルターなので画像全体に一度で反映させることが出来、広い面に対して作業的に効率が良いです。
そして、『半径』と『しきい値』によって、影響する度合いを調整することが可能です。
他のブラシ系の修復ツールと違って『短時間で一度に広範囲の修整が出来る』のが強みです。

 

ダスト&スクラッチでゴミやほこりを簡単に除去

文章だけではわかりにくいと思うので、具体的にどんなことが出来るのかというと


このように画面の上にホコリやゴミが乗っている時
画面の全体にあること、更に対象が細かいためコピースタンプツール等では時間も手間もかかります。
こういう時にダスト&スクラッチを使ってみると


このように綺麗に除去できます。

他にも、たとえばお菓子の表面にある凹凸をきれいにしたり

ホコリほど小さくないようなもの、例えば水滴でもベースがある程度あれば除去できたりします。

このように、広範囲に効果を与えたい修復作業において様々な応用が効きます。

 

実際にダスト&スクラッチを使って作業していく

では、実際に1枚目のスマホの写真を例として、作業を説明していきます。

作業を少なく済ませるための下準備

 

直接レイヤーに対して効果をかけるものになるので、コピーしたレイヤーを使うようにしましょう。
そしてこのままダスト&スクラッチを全体にかけてもいいのですが
出来るだけ手間を少なく、綺麗に仕上げるためにまずパッと見て他のよりも少し大きなゴミ等をコピースタンプツールや修復ブラシツール等で消します。


大体丸のついたあたりの大きなホコリ、ゴミです。
何故かというと、大きな対象に合わせて効果をかけると他のものに対する効果も大きすぎて、不要な場所に対しても影響を及ぼすからです。
突出して大きい対象がなければこの作業は省略しても大丈夫です。


このようにある程度大きいものが除去できたら、細かいホコリ等をダスト&スクラッチで除去していきます。

『フィルター』→『ノイズ』→『ダスト&スクラッチ』を開きます。
開くと、その時の既存の数値にもよりますが、いきなり写真がぼんやりしたのではないかと思います。


数値が適切でないとこのように調整の不要なところまでぼやぼやになります。


操作自体は『半径』と『しきい値』を調整するだけの比較的シンプルな機能です。
が、この2つの調整が難しく、わかりにくいと思われる方も多いようです。
簡単に説明すると

『半径』→馴染ませたり除去する効果自体の強さ
(数値は大きければ大きいほどゴミ等を除去する効果が強い)

『しきい値』→半径で与える効果の範囲を調整
(数値は大きければ大きいほど元の状態のディテールを残す効果が強い)

といった感じです。
なので作業の流れとしては

  1. 『半径』の数値を画像内の不要物が消えるまで上げる
  2. 『半径』の数値をあげたことで影響を受けた元画像のテクスチャやノイズが、元画像と馴染むくらいまで戻るように『しきい値』を上げる。
  3. プレビューをつけたり消したりしながら極端に違和感がないかどうかチェックして問題なければOK

になります。
画像によって少し変わることもあるかもしれませんが、基本的に上記の工程で大体問題ないです。

ダスト&スクラッチの半径としきい値を調整していく


まず、半径を細かいホコリがほぼ完全に消えるまで数値を上げていきます。
この時、スライダーを使ってもいいのですが大抵やりすぎてしまいますので
少しずつ変化をチェックしながら上げていくのがオススメです。
コツとしては、大体このサイズのものが消えればOK、という対象を決めておいてそれが消えたらOK、としておくと基準ができてわかりやすいです。


今回、半径はこの数値になりました。
乗っていた小さなホコリ等が消えていることがわかります。

次にしきい値を調整していきます。


しきい値が0のままだと、プレビュー等を利用して比べてみたらわかるのですが、元の画像のディテールが失われてぼやっとした印象になっています。
(画像はわかりやすいように少しコントラストをあげています。)
この状態から、元のノイズが出来る限り戻っている、且つ、ホコリが戻ってこない数値を少しずつ探します。


今回しきい値はこの数値になりました。


比べてみると、しっかり元のデータのノイズが戻ってきているのがお分かり頂けるかと思います。
ちなみにしきい値は戻し過ぎると消したかった対象まで戻ってしまうので気を付けましょう。

マスクをかけるひと手間で、綺麗な仕上がりに

ここまで来たら、次にこのダスト&スクラッチをかけたレイヤーにマスクをかけます。
このままだと他のところに影響がでている可能性があるので、必要な場所にだけ表示されるように、画面のところだけを出してきます。


画面だけの選択範囲を作ってもいいですし、厳密に選択範囲等を作らなくても特に影響がなさそうであれば、ブラシで必要な所だけ出してくる、でも問題ないです。


このように画面の上にあったゴミやホコリが綺麗に除去できました。
ここまでやってみて、もしまだ少し気になるゴミやホコリがあるようなら、コピースタンプか修復ブラシツール等で除去して完了です。

 

ダスト&スクラッチを理解、応用すれば壁一面のヒビ割れも簡単除去

スマホやタブレットの画面くらいなら最悪ブラシ系の修復ツールでもある程度の時間でなんとかなるのでは、と思われるかもしれません。
応用ではありますが、たとえば壁一面、画面いっぱいに消したい対象がある時。


壁一面にヒビがあります。ムラや明暗の差もあります。
これをすべてコピースタンプツールや修復ブラシツールのブラシ系の修復系ツールで修整する、と思うとかなりの手間と時間がかかるのは予想できます。
この写真を上記で説明した流れに沿い、作業してみました。


ほぼ、壁の質感を残したままヒビを除去出来ました。
ここまでのことは特殊なのであまりないかもしれませんが
広い面で明確な素材感があり、且つ、それが重要な要素となっているものに関しては効果的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
『ダスト&スクラッチ』という機能をあまり使用したことがない人も多いと思います。
趣味で使う場面ももちろんあるかもしれませんし、仕事においても十分に活用出来るツールです。

1つポイントとして、Photoshopでの作業において全般いえることですが、デジタル画像なので、100%、更にそれを超えて拡大出来てしまいます。
便利ではあるのですが、汚れなどを判断する場合に『これはゴミ?テクスチャ?それとも強く出たノイズ?』
と必要以上に過敏になってしまいあれこれ考えているうちに作業が止まってしまうなんてことも…。
仕事として一切ゴミのない状態を求められているなら別ですが、基本は50~100%の拡大率で見た時に気にならない程度で問題ないことが多いです。(もちろんデータのサイズにもよります。)
ネットに掲載するだけといった利用だと、撮影した写真のサイズから大幅に縮小するので、いざ作業し終わってからそこまで気にならなかったな…ということが割とあります。
印刷する場合でサイズが決まっている場合は、印刷サイズを参考に結果がどれくらいのサイズで見ることになるのか表示してみたりして、1つの目安にしてみるのもよいと思います。

色々と例を出して説明しましたが、ダスト&スクラッチも万能ではありません。
全面に反映させるので、あとここがもうちょっと…というような細かい調整は難しいです。
そんな時にはこのツールだけでどうにかしよう、と考えるのではなく、他のツールで補助してあげるなど必要な時にそれに合ったツールの選択肢の1つになればと思います。
参考になれば幸いです。

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