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カラーからモノクロへ、より印象的な写真に仕上げる方法

今、写真といえば基本的にカラーを想像すると思います。
現代においてスタジオなどで記念写真を撮影、購入するとなって白黒が出てくるとは思いませんよね。
写真には、被写体や撮影の技法などの中身の表現だけでなく、見せるにあたっても色々な表現方法があります。
その中でも『モノクローム』(以下モノクロ)というのはクールでかっこいいイメージになり、作品だけでなく広告等でもよく見かけます。
(単色で表現されたものはモノクロと呼べますが、ここでいうモノクロは白黒のことです。)
そして最近はパソコンだけでなく、スマホでも手軽に加工ができるようになってきました。
フィルムの時代は基本的にはフィルムを選んだ時点でカラーかモノクロか決まっていましたが、デジタルではカラー写真からモノクロ写真、もしくは逆も可能です。
(デジタルカメラを使ってカラーで撮ったものをモノクロに変換することの是非について意見は色々あると思いますが)
一応カラーのフィルムをモノクロ現像するという手法も無くはないですが、決して主流ではありませんでした。

そして、いざモノクロに変換、となった時にカラーとモノクロで何か印象が違うな…?という経験がある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん白から黒での光量(明暗)の情報だけか、それにプラス色という情報があるかないかで全く見え方が違うのももちろんですが
もしかしたら、カラーからモノクロへの変換が上手くできていないかもしれません。
モノクロへ変換する方法はいくつかありますが、お手軽な方法から少しひと手間加えて印象的で深みのあるモノクロ写真にするコツまで、いくつかご紹介します。

意外と単純じゃないモノクロ変換方法

まず先に『モノクロ(白黒単色)に変換するなら単純に彩度を落とすだけで終わるんじゃないか』という疑問もあると思いますが
詳しくはとても難しい話になってしまいますが、色には色自体の持つ明るさの差があり、各色ごとに明るく感じたり暗く感じたりすると思います。

例として、それぞれ同じだけ数値を乗せた画像を用意します。
各色の数値は同じなのに、特に緑は明るく、青は比較的暗く(濃く)見えると思います。

それらから単純に色相彩度で彩度を0にしたものです。
すべて同じ数値のグレーになってしまいました。大きく差があるかどうかはわからなくても、ここまで同じ明るさに見えた人は少ないのではないでしょうか。
モノクロ写真でこういうことがもし仮に起きたとすると、印象が変わってしまうのが想像できるのではないかと思います。
カラー写真から単純に彩度という情報を抜くだけでは、モノクロ写真としては計算が不十分なのです。
ではどうすればよいのか、説明していきます。

1.色相彩度→調整


今回はこちらのバラの写真を使用していきます。
まず、単純にこのまま色相彩度を使って彩度だけ落としてみます。


色は確かに抜けてモノクロになりましたが、上記で説明した通り目で見た状態というものが計算されていないのでコントラストが低く軟調になってしまいました。
コントラストを保ちながら色だけ抜きたい…という時は


描画モードを『カラー』に変更することによって、変換前の輝度を保ったまま反映出来ました。
(『カラー』は影響を与えるレイヤーに対して輝度を保ったまま、色相と彩度のみを反映させるモードです。)
簡単な写真であれば、この状態からレベル補正やトーンカーブで少し調整して完了にも出来ます。
(たとえば今回の写真では、輝度を保った状態というだけだと明るさがあまり変わらず色だけが少し違うような緑の部分の情報が無くなりかけているので調整の必要があります。)

2.『白黒』→調整


調整レイヤーから『白黒』を出します。
(メニューバーのイメージ→色調補正→白黒でも出来ることは同じですが、直接画像をさわってしまうよりも調整レイヤーのほうが確定後も微調整がきいて便利なので調整レイヤーを利用することをオススメします。)
まず開くと、当然『白黒』なので写真がモノクロになります。


色相彩度をそのまま乗せた状態と一緒では?と思われるかもしれません。
大きく違う点は、この状態から色の系統ごとに明るさが調節できることです。
バラ(赤)の所はもう少し黒を締めようとか、葉(緑)の所は少しだけ落としてハイライトを落ちつけようとか…
各色の系統によってスライダーがあり、動かすことによって色ごとに白~黒の濃淡を調節出来ます。
もちろん過度な調整はデータを破綻させる原因となりますので無理なことは出来ませんが、1では出来なかった色ごとの調整ができるので便利です。
プリセットも用意されているので、そこでベースを決めて進めていくことも可能です。

3.『チャンネルミキサー』→調整


チャンネルミキサーはカラーだと特に使い方がいまいち理解し辛いツールの一つだと思います。
(ざっくりと言えばチャンネル(色の要素)ごとに調整できるものです。)
そのままだとカラーになっているので、モノクロというところにチェックを入れます。


すると画像が1、2と同じように単純にモノクロになります。
プリセットを選べば自動でモノクロになるので慣れてきたらチェックは入れなくてもかまいません。
この状態から自分で全部調節してもよいのですが、チャンネルミキサーにもプリセットが用意されているので


それぞれ選んでみると


このようにそれぞれ表示されますので、自分が一番比較的イメージに合うものを選び、そこから細かい調整をするのが早いかと思います。
チャンネルミキサーは白黒のスライダーよりも扱いが難しいと思うので、プリセットから調整をはじめるのがオススメです。

比較してみると違いは歴然

例として、今回このようになりました。

単純に彩度を抜いただけの写真と比べてみると


最初はなんとなく締まりがなくバラの花弁も平坦な印象だったのが重厚になり、葉のディテールも最初よりだいぶ出たのではないでしょうか。
ハイライト部のエッジも際立ち、シャープな印象にもなりました。
バラのコントラストきちんとつけることで視点が真ん中の主役であるバラにいくようになり、気持ちアンダー気味にすることで、写真にまとまりを出しました。

ちなみに今回は
白黒(調整レイヤー)で白黒に→モノクロにしたことによって際立った不要物(汚れ等)の除去→各色ごとに明暗調整→全体の印象を整えるために全体の明るさとコントラストをさらに微調整
という流れで作業しました。
慣れてしまえば比較的直感的に行える作業が多いと思うので、是非色々と試してみてください。

まとめ

モノクロフィルムを経験したことがないと、モノクロの写真において何がいいのか、みたいな写真としての基準や感覚的なものが少し難しいかもしれませんが
デジタルのデータだから出来ること、ではなく、フィルム(ネガ)で引き伸ばし器を使ってプリントしていた時代から明るさやコントラストの調整は行われてきたことなので少しずつデジタル的にでも調整に慣れて頂ければと思います。
最終的な詰めはモノクロに限らず、写真にもたせたいイメージや個人の好み、第三者からの要望によると思うのでこれが絶対に正解、というのはありません。
今回は明暗調整等については詳しく書かず、モノクロへの変換をメインとしてご紹介しました。
カラーという情報量の多さも魅力的ではありますが、単色で光や色を表現するモノクロにも挑戦して頂ければと思います。
参考になれば幸いです。

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